「好きを極める」
コレガスの皆さんへ
この度、5月1日でこの”ビール事業”の原型となる、EVER BREW第一号店舗『ベル・オーブ六本木』(現在は閉店)がオープンして20周年を迎えました。
20周年を迎えるにあたり、コレガスの皆さんへ心からの感謝と共に、この節目における想いをお伝えします。
20年前、「自分が出会ったこの味わいを多くの人に知ってもらいたい」という一心で起業をしました。
”マーケットがどれだけある”とか、”利益がどうなる”とか、当時は正直それほど考えていませんでした。
情熱と強い意志があれば道が開けると信じていたからです。
「好きを極めよう」と思って始めた事業ですので、今日は事業をどうこうという内容ではなく「好きを極める」という原点について述べたいと思います。
まず、「好きを極める」ためには「夢中になる」ということが近道です。
”好き”に関しては、エバーブルーにジョインしている時点で、どこかに”好きなこと”や、”やりたいこと”がそれぞれあるはずです。
その”好き”という気持ちをどうやって”夢中”にしていくのかが重要です。
夢中[我を忘れるほど没頭できる、目標に向かって成すべき事を行える](自己実現)
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好き[好きな事に関してどんどんトライできる](自己実現に近づく段階)
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努力[成し遂げるための工夫をする](周りに自分の努力を認めてほしい。自己承認欲求)
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義務感[やらなければならない]
”好き”なことを”夢中”に昇華していく中で壁が一つあるなと感じています。
それは”好きなことをただやれば好きを極められるのか”、といえばそうではないということです。
例えばですが、舞台に立つ側(事業者側)と見る側(消費者側)では明らかに”好き”と”夢中”が異なっています。
見る側(消費者側)としては、どこまでも自分がただ好きなことを突き詰めれば良いわけなんですが、舞台に立つ側(事業者側)は、好きなことをやっているだけでなく、舞台全体を俯瞰したり、舞台を作り上げる多くのスタッフにも目を向けなければいけないですよね。
舞台に立つ側(事業者側)は、好きなことを成し遂げるために、好き以外のことにも全力で向き合い、実行します。
つまり、好き以外のことを嫌わずに、目標(”好き”)に向かってどんなことも実行できることこそ”夢中”という状況です。
更には、好き以外の事も”好き”を極めるというゴールのために、既に好んでやっている状況であるとも言えます。 今は出来ずとも、皆さん一つの上の段階になれるように、嫌なことよりも”ちょっとした嬉しいこと”、”ゲストに良いことを行っている瞬間”に目を向けてください。
きっと少しづつ”夢中”に近づくことが出来るはずです。 また、この”夢中”に社会性、つまりミッションを加えることが”好き”を極めていく中で重要です。
逆もありで、”夢中”でやっていると自らの行動に対しての社会性を考えるようになります。
私も実際そうでした。
故 三遊亭円楽師匠が言葉にされた「時間を忘れるほど好きなことに、少しの社会性を持たせて仕事になるなら、それが一番幸せ」という考え、これが非常に的を得ています。
20年間事業を続ける中で”少しの社会性”を自然と加え続けてきました。
20年たった今のエバーブルーでは、更に社会性(ミッション)を明確に持った事業を展開していきます。
最後になりますが、
そんな私の強い意志が”一杯”となって始まったこの事業は、コレガス一人ひとりが持つ情熱と化学反応を起こし続けて、この20年間、私たちの提供するビールや食を”ただの飲料・食べ物”から、多くのお客様にとって”特別な存在”へと高めてくれました。(もっと高めていきましょう)
この記念すべき20周年を迎えるにあたり、皆さん一人ひとりの貢献に深く感謝します。
これからも共に、私たちのサービスと一杯、一皿がさらに多くの人々に愛されるよう、文化の創造と定着に努力を重ねていきましょう。
心からの感謝を込めて、フゾンテ!