みなさんこんにちは。
今回は先日ベルギー出張にて訪れたブラッセルズの取引先である「デュポン醸造所」を紹介します。
「デュポン醸造所」は1844年から続く家族経営の醸造所で、ベルギー南西部に位置するエノー州の1000人にも満たない小さな村に存在します。
近年日本のクラフトビール業界でも増えてきているスタイルでもある「セゾンビール」を世界に知らしめた、そして世界の「セゾンビール」に影響を与え尊敬を集める醸造所こそがここなのです。
「デュポン醸造所」の代表作は「セゾン・デュポン」であり、つまりは「セゾンビール」を語る上で欠かせないビールが「セゾン・デュポン」です。
Saison(セゾン)とは英語ではSeasonつまり”季節のビール”という意味にとれますが、元々はベルギー南部のエノー州に多く存在していた夏の農作業中に飲むように醸造された農作業の合間に飲むビールであり、比較的アルコール度は低く淡い色のものが多いのが特徴となっています。
「デュポン醸造所」も元々は同様の理由でこのビールを作っていますが、このビールが「セゾンビール」を代表するようになった要因は別の理由が挙げられます。
それは、味わいに対するこだわりとその醸造方法です。
まず実際の写真で説明します。
上記の内容をまとめると、
まず一つ目のポイントとして、「デュポン醸造所」は、ベルギー南部に見られる”醸造釜に直火を当てる方法”で醸造をしています。
EVER BREWの取引先である、「カラコル醸造所」や「ルル醸造所」も”直火(ダイレクトファイヤー)”を使っていて、これによってベルギー南部のビールは、”ほんのりした甘味が生み出される”とも言われています。
「デュポン醸造所」を見習ってこの醸造法を取るブルワリーもあるはずです。
またもう一つのポイントは、横たわるように”真横に配置された発酵タンク”です。
オープンファーメンテーション(開放されたまま発酵すること)が酵母にストレスを与えず発酵に重要な影響を及ぼすことをベルギーの醸造家達は伝統的に理解していて、この方法が長らくさまざまな場所で取られていたのですが、衛生的な観点から課題が多くありました。
そこで「デュポン醸造所」ではタンクの上部にビールを詰め込まずに隙間を多く作って発酵を行う形を取っており、タンクが横に広いものであったり、横たわった状態で発酵を行います。
タンクを全部使わず、横にも幅をとるというのは、生産性や経営面だけを取るとなかなか難しいことなのですが、この方法はEVER BREWの取引先である「デ・ランケ醸造所」や元取引先である「デ・ラ・セーヌ醸造所」、そして我々の自社ブランドである日本の「リオ・ブルーイング」でも取り入れられています。
まさに我々の「デュポン醸造所」へのリスペクトがここでも分かっていただけると思います!!
これだけではビールの説明にたどりつかないので、もう少し「デュポン醸造所」のお話をさせていただきたく、来月に続きます!
来月もお楽しみに!!
フゾンテ!
代表略歴
菅原 亮平(スガワラ リョウヘイ)
1979年生まれ、福岡県出身。
- 鹿児島県ラ・サール中学・高校で寮生活を経て、2002年早稲田大学建築学科卒業。
- 大学在学中に事業の企画書を持ち込んだ縁で卒業後にタリーズコーヒージャパン株式会社にて1年半ほど勤務。
- 当時の社長に経営指導を受け、飲食業界に携わる。
- 2004年六本木に「ベル・オーブ」1号店をオープン。
- 2005年から、現地よりベルギービールを直輸入し、2006年には卸事業を展開。
- 2010年9月ベルギー本国より、ベルギービール名誉騎士を受勲。
- 2014年アメリカからのビール直輸入・卸を開始。
- 2015年5月、ベルギーにて子会社RIO BREWING&CO.SPRLを設立。
- 同年6月にEVER BREW株式会社(本社最寄り:虎ノ門)に社名変更。
- 2016年フランス、サンテミリオンにてサンテミリオンワイン騎士受勲。
- SASUKE2回出場、マッスルミュージカル初代メンバー