こんにちは。
先月号では、輸入に関しての細かい業務など長々とお話しさせていただいてきましたが、
私達が選び抜いて輸入しているビールには、それぞれベルギーやアメリカで培われた特有の醸造技術と風土、まさにテロワール的な考えなどが詰め込まれていて、その風味を損なわないよう輸送・保管の過程にも細心の注意を払っていることを書かせていただいてきました。
ビールは温度変化や光、空気に敏感であることから、リーファー(定温)コンテナで日本まで運ばれ、倉庫でも低温で保存している訳です。
そうでなくてもベルギーやアメリカの東海岸からは、
- 発注から各醸造所のビールを集めてコンテナに詰め込むまでに1-1.5ヶ月
- 船で40日ほど
※リーマンショック以前は28日の直行船もありましたが、直行船は現在無くなってしまっています。 - コンテナヤード(荷下ろし)から保税倉庫への移動・通関、ラベル貼りなどの作業から出荷で2週間以上
これらが港湾でのストライキや、各醸造所とのやりとりの中でちょくちょくスケジュールが変わってしまったり、コロナから始まった物流の混乱などで5ヶ月以上かかることもザラになっています。
ちょくちょく書きますが、輸入ってテレビで見るようにかっこよく買い付けしている(私もそういう風にテレビに出たりしましたが)姿のイメージかもしれませんが、それはほんの一部を切り取った姿です。
半年後の在庫をイメージしながら発注し、在庫と戦いながらも、ビールが届いてもコンテナの中でラベルが傷ついていたり賞味期限の短いもの(すでに切れていたり)が到着してすぐにわかったりというようなトラブルに遭遇して、どんなに嫌なことがあってもこのビールが皆様の特別な時間をより豊かに彩ることをイメージしながら日々戦っている感じです。
ビール自体が旅をする話ばかりをしてしまいましたが、
本当はこのビールを飲んで皆様が世界を感じながら家の中でも毎月新しい味わいを探求する旅をしていただきたいと考えています。
長々と輸入に関するお話にお付き合いいただきましてありがとうございました。
それでは今月もお楽しみください。

RIO(菅原 亮平)
代表略歴
菅原 亮平(スガワラ リョウヘイ)
1979年生まれ、福岡県出身。
- 鹿児島県ラ・サール中学・高校で寮生活を経て、2002年早稲田大学建築学科卒業。
- 大学在学中に事業の企画書を持ち込んだ縁で卒業後にタリーズコーヒージャパン株式会社にて1年半ほど勤務。
- 当時の社長に経営指導を受け、飲食業界に携わる。
- 2004年六本木に「ベル・オーブ」1号店をオープン。
- 2005年から、現地よりベルギービールを直輸入し、2006年には卸事業を展開。
- 2010年9月ベルギー本国より、ベルギービール名誉騎士を受勲。
- 2014年アメリカからのビール直輸入・卸を開始。
- 2015年5月、ベルギーにて子会社RIO BREWING&CO.SPRLを設立。
- 同年6月にEVER BREW株式会社(本社最寄り:虎ノ門)に社名変更。
- 2016年フランス、サンテミリオンにてサンテミリオンワイン騎士受勲。
- SASUKE2回出場、マッスルミュージカル初代メンバー