外部取材:Retty様取材「女子が集えるビール専門店「リオ・ブルーイング・コー ビストロ&ビアガーデン」の魅力とは」

今回から始まりました「Rettyお店会員インタビュー」🍽
Rettyを契約いただいている飲食店の皆様にインタビューし、お店のこだわりや、ストーリーをご紹介いたします。

今回は、東京ミッドタウンにあるベルギービール専門店「リオ・ブルーイング・コー ビストロ & ビアガーデン」を取材しました!

世界と日本でクラフトビール醸造を行う「リオ・ブルーイング」旗艦店

世界最先端のクラフトビールとベルギーの伝統的な醸造文化が交わる日本とベルギーに本拠地を構えるブルワリー「リオ・ブルーイング」の旗艦店として、2017年にオープンした「リオ・ブルーイング・コー ビストロ & ビアガーデン」。
名物「シカゴピザ」を始めとした石窯料理や、イタリアンやフレンチ料理が気軽に楽しめるブラッスリーです。

ビール好きだけでなく、ミッドタウンで働く会社員さんや、地元の方など、幅広く愛されるお店づくりの秘訣はなんなのでしょうか?
EVER BREW 株式会社代表取締役の、菅原亮平さんにお話を伺いました。

「スペシャルティ」な分野で起業したかった

菅原さん「大学時代から起業したいと思い、当時タリーズコーヒージャパンの社長だった松田公太さんに事業企画をプレゼンしたご縁で、卒業後に1年半ほど勤務しました。
2000年以降デフレが進みどこも安売りをしている中、タリーズでスペシャルティコーヒーに出会い、自分も独立するならスペシャルティ、付加価値のある分野で独立しようと思いました。
その頃好んで飲んでいたベルギービールは、ラベルごとにデザインも味も違って、まさにスペシャルティビールだなと思い、2004年にベルギービールの専門店を創業しました。

当時日本では、BRUSSELS(ブラッセルズ)というお店がベルギービール、クラフトビールの世界でも有名で業界1位だったのです。
クラフトビール文化を広めたいと思っていましたので、タリーズのように、業界2位には入りたいと目標を定め、事業展開をしていきました。その後、ベルギービールの輸入業、ビールの製造業を手掛け、2017年に自社醸造の「リオ・ブルーイング・コー」の旗艦店として当店をオープンしました。その後、2020年12月にはBRUSSELSの事業も譲り受けております。」

「専門店」に多くのお客様を呼ぶためには…?自分を否定しないとたどり着けない答え

ーー ビール専門店ですが、どんなお客様がいらっしゃいますか?

菅原さん「ミッドタウンという場所柄、年配の方から若い方まで色々な方がいらっしゃいます。でも、それがいいと思っています。
専門店専門店と言いすぎると、入口が狭くなる。
ビールのお店をやっていると、バルとか居酒屋料理のイメージになりやすいんです。
ビールの印象が勝っちゃうと、食事のお客さんが来ないですよね。
コロナ禍で、二軒目にはしごしない時代。
だから本気でビールをやってるけど、ビールは脇役にして、食事をしっかり楽しめる雰囲気にしたいと思っています。」

ーー 確かに、お店を選ぶときに「何食べる?」って決めますよね。

菅原さん「そうなんです。入口を増やすって意味で、ビール以外に柱が合って、何も悪いことはない。
例えば男性8人で飲むとなったら居酒屋にいくでしょう。でもその中に1人でも女性がいたら「バルにしようかな」となる。
その女性が『私ビール嫌いです』って言ったら、うちは存在意義なくなっちゃうんですよね。(笑)
ビール好きしか来れなくなってしまう。
連れてく人を探さなきゃいけない店って問題じゃないですか。
ベルギービールへのこだわりが伝わらなくても、ふとしたときに食事の隣に美味しいビールがあることに気付いて、徐々に伝わっていけばいい。

矛盾してますよね、その割にビールに命かけてるっていう。(笑)
それをやれる人がなかなかいないっていうのが、飲食店のスキマなんですよ。
自分をある程度否定しないとたどり着けない。
飲食店は、やればやるほど、どんどんお店に対する自分のこだわりが強くなって、間口を狭めてしまったりします。
そうじゃないよって客観的に言ってくれるのが、Rettyの方だったり、お客様だったり。」

ーー ということは、ビールに詳しくない方も結構いらっしゃいますか?

菅原さん「はい、ウェルカムです。
そういうお客様に、こだわりのビールに気づいてもらうためにどういう仕掛けをするかが僕らの仕事です。
例えば、シカゴピザに合わせるお酒=緑茶ハイとはならないですよね。
自然とビールを飲んでしまうようなメニューを用意しています。

あとはこれですね。」

ーー 入口すぐのこのタップは目立ちますよね!飲んでみたくなります。

菅原さん「カウンター下にビールの冷蔵庫があるんですけど、日本用の冷蔵庫にベルギービールは入らないので、冷蔵庫をベルギーから取り寄せています。
そしてビール屋さんってグラスを上にズラーッと並べますよね。そのほうが効率がいいし、店舗デザイナーさんもそう提案してきます。
ただ開放感がないなと思い、効率は無視してグラスを下に置くことにしました。店が広いって言われます。
僕が建築学部出身ということもあり、こういったお店を作りました。」

「ワインに合う料理を作って」

ーー 入口を広げるために、料理は具体的にどういった仕掛けをしていますか?

菅原さん「料理はビールに合うものを作れとは指示していないですね。
そうすると揚げ物ばっかりになっちゃう。なので『ワインに合うものを』と言ってます。
そうすると自然といいものが出てくる。」

<前菜3種盛り合わせ>
菅原さん「そもそもベルギービールは、フランスの隣国でワインが作れない国がつくったビールなので、文化が近いんです。
フランスでワインに合わせているような料理が、ベルギービールには合わせやすい。
前菜には淡いビールが合い、食事に合わせてビールも味を濃くしていくんです。」
<自社醸造のRISON(ライゾン)…670円(税抜)>

スキマを選ぶことで、お店の”売り”が作られる

ーー 看板メニューのシカゴピザはどうして始めたんですか?

菅原さん「店舗に2台ある、石窯を利用したメニューということで、シカゴピザや格之進のお肉メニューができました。
シカゴピザは焼き上がりまで30分かかるので、正直大変です。
当店はデリバリーもやっているんですが、配達まで40分かかるとクレームが来ることもあります。
でもそこなんですよ。絶対他の人はやりたがらない(笑)」

<シカゴチーズリパブリック(Sサイズ)…1,870円(税抜)>

菅原さん「そもそもベルギービールというスペシャルティ、隙間産業でやってきました。
マニアックなビールだったんで、周りから『スタッフを教育するのが大変だ』『ビールは原価が高いからうまくいかない』など色々言われたんですが、逆に無理だ無理だと言われると、やってみたくなるというか。

ベルギービールもシカゴピザも、原価を考えたら出来ないです。割に合わないんで。
30分焼いて、普通のピザの5倍くらいチーズが入ってますからね。
でも原価がかかるからといって3000円で売れるものでもないし…。」

ーー 他の人がやりたがらないメニューをやることでここでしか食べられないという付加価値ができるんですね。

「ありがとうございました」はスタートライン。お客様に触れる機会を増やしていきたい

ーー 今後の目標を教えてください

菅原さん「ライフタイムバリュー、僕たちの場合はビールタイムバリューをあげるということです。

ビール作りから消費までをこれまでメインで考えてきたけど、これからはお客様が、いかに我々と触れ合っていく世界を作っていけるか。
“体験”するまでのサービスをどれだけ作り込めるかを考えていきたいと思っています。

飲食店って、お客様がなんとなく来店して、良いサービスを提供して、『ご来店ありがとうございました』で完結する。そして、いつか帰ってきてくれたらいいなと思いながら店をやる。そういう世界でした。
しかしコロナになって、これまで来てくれたお客様の誰とも連絡がとれない。」

菅原さん「コロナになって思ったのは、『ありがとうございました』が始まりということ。

そこから、デリバリーやECサイトでビールを買っていただいたり、スーパーに僕らのビールが並んでいたりして、気づいたら接点が増えていくように、緩く繋がり・接点を保ちながら、また来店してもらう仕組みづくり。
弊社は、ビールを作る事業・輸入や卸事業・飲食店事業、同じビールというワードで繋がっているけど、全く違う性質の事業が3つあります。
なので全事業でお客様と触れ合う機会を増やしていく上で、「独自産業」が成り立つと思っています。
『ありがとうございました』を『これからよろしくお願いしますね』という入口に変えていかなければいけないと思っています。


クラフトビールの波が終わって、ビール専門店をやめていく人が多いけど、やめていく店を引き取ったりもしています。
これまで業界を引っ張ってきて、そろそろこの業界終わりだから辞めよう…とはしたくない。
ベルギービールと呼ばれようが、地ビールと呼ばれようが、クラフトビールと呼ばれようが、多少姿を変えても続けていきたいです。

やっぱりビールが好きなんですよね。好きじゃなかったらコロナで心折れていました。
だから一人でも多くの人に来店してもらおうと思って、ひたすらRettyさんをカタカタやってます。(笑)」

Rettyお店会員は、現在1万店を超える飲食店さまにご利用いただいております。が
「今日は何を食べようかな?」「大切な人との食事、どこに行こうかな?」を多くの方がスマートフォンで検索する時代。
これからも皆様の飲食店運営を、Rettyが支援していきます。


リオ・ブルーイング ・コー ビストロ アンド ガーデン
住所:住所東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウンプラザ 1F
電話:050-5303-8735