自分次第で可能性が広がる、チャレンジを応援してくれる場所

EVER BREW株式会社
デリリウムカフェ レゼルブ 赤坂店
ザ・ルーフトップ・ブッチャー 吉祥寺店
ユニット長 土屋 一歩さん

自分の居場所を求めて飲食業に飛び込んだ

土屋さんは学生時代から飲食業に就きたいと考えていたのですか?

子どものころから喫茶店経営に憧れていました。
父がよく連れて行ってくれた店があって、マスターが寡黙に淡々と仕事をしているのを見てカッコいいなと。

接客ではなく、カウンターの中で働きたいと思っていたのですね。

ええ。
私は人と接するのが得意ではなかったので、自分の居場所を作るというのが夢で。
手に職をつけたくて高校卒業後はお菓子の専門学校に行きました。

専門学校を卒業したあとは?

最初に就職したのは、ホテルのペストリーキッチンでした。
いろいろな職場を経験したいと思っていたので、そこからフレンチレストランを経て、ショットバーに勤めていた時期もあります。
その後、20代の半ばから4年間ほどオーストラリアで働きました。

なぜオーストラリアへ?

9歳年上の姉が調理師で、あちらで結婚した日本人のパートナーと一緒に店を開いたためです。当初はワーキングホリデーでしたが、途中でビジネスビザを申請して滞在していました。

どんなことを学びましたか?

飲食店を経営することの楽しさと大変さを同時に体験することができました。
何より海外の人と接する中で自分自身の性格が変わったのが大きかったですね。
現地の人達はみんな大らかなので、自然と私もオープンマインドになれたんだと思います。

人と接するのが得意ではなかった自分を克服したのですね?

そうですね。
日本人の彼女もできて、オーストラリアで結婚して一緒に帰国しました。
帰国後はゴルフ場の厨房で働いたり、生花にも興味があったので花関係の仕事をしたりしていましたが、やっぱりお客様やスタッフなど、たくさんの人と直接関われる飲食業が好きだという結論に達しました。

なるほど。

20代は転職を繰り返しましたが、いろいろな経験をすることができて良かったと思ってます。
自分がどうなりたいのかということと、自分に向いていることは必ずしも合致していなかったりして、若いうちは迷いが生じてしまうという人も多いのではないでしょうか。
やってみないとわからないことだらけなので、とにかくたくさん行動しましたね。

やっぱり自分は飲食業が好きだと的を絞ることができてスッキリしたのですね。

そうです。あとは前進あるのみだと思えたことは、人生における大進歩でしたね。

信頼関係を培うことの大切さを学んで

エバーブルーにたどり着いた経緯を教えてください。

求人誌でエバーブルーが経営する「ザ・ルーフトップ・ブッチャー 吉祥寺店」が求人募集していることを知って面接に行きました。
私は国立の出身で、小学校が吉祥寺だったので親近感を覚えたというか、お客様の層が見えたというか。
最初はそんな感じだったと思います。
実際に配属されたのは新宿のサザンテラスにある「プティデリリウムタップカフェ」だったんですけど(笑)。

あ、そうだったんですね。

でも会社概要を見たり、本社の人から代表の菅原さんの理念などを伺って、エバーブルーは将来的に独立したいという自分の目的のために、たくさんのことを学べる環境が整っているなと確信していたので、どの店舗でもよかったんです。

それが3年半前のことですね。
働き始めてどうでしたか?

ビールに関する知識を学ぶ機会に恵まれて、よかったなと思いました。
検定試験に向けて必死に勉強したのを覚えてます。
ところが2019年の11月に入社して、翌年の1月後半くらいから新型コロナウイルスの影響で予約のキャンセルが相次ぎ、3月から1ヶ月ほど休業するという事態になってしまい、どうなっちゃうのかなと不安でしたね。

そうですよね。
経営困難に陥って閉店を余儀なくされる店もたくさんありました。

でもエバーブルーの対応は迅速で、私は吉祥寺店への移動を受けたんです。
新宿の店はオフィス街にありますが、吉祥寺の店は近くに住宅街もあるということで、デリバリーに力をいれようと起点を利かせてのことでした。

やってみようという心意気が凄いですね。

常に前向きだということがエバーブルーの魅力だと思います。
その表れとして顕著に感じるのは個人個人の裁量権が大きいことです。
会社との方向性が合っていれば、社員の意見を採用するという柔軟性があって、一社員であっても経営に参加しているという感覚がモチベーションアップにつながっているのを感じます。

吉祥寺の店では店長兼料理長を務めることになったということですが、苦労話があれば教えてください。

吉祥寺の店は小規模なのですが、それでもプレッシャーが大きくて、最初は自信がなかったんです。
今にして思えば当然そうなるよねという話なのですが、まとめ役の私が自分のことでいっぱいいっぱいだったので、コレガス(オランダ語で”仲間”の意でスタッフのこと)との意見が食い違ったり、協力体制を求めても上手く聞き入れてもらえなかったりして悶々としていました。

悪循環に陥っていたのですね。

自分自身は一所懸命にやっているつもりなのに空回りしている感じがあって、どうしてこんなに報われないのかなと。
コレガスが一致団結していないと顧客対応にも影響するし、そのことが売り上げにも反映するので焦りも生じていました。
お客様からの「店の雰囲気が悪い」という意見が本社に届いて改善策を求められ、窮地に立たされて辛かったですね。

どうやって改善していったのですか?

本社の運営部長が話しやすく、ポジティブな方なので救われました。
「冷静に受け止めて、問題をひとつずつ潰していけば大丈夫だから」と励まされたのが印象的です。
本当は私に問題があると指摘したいところだったと思うのですが、まずは私の心に寄り添ってくれたのです。
いきなりダメ出しをされていたら心が折れていたかもしれません。

信頼関係を培ってから、問題点に対するフィードバックをしてもらったと。

まさにそういう感じです。
このことを通して、私は自分自身もまず相手に寄り添うことが必要なのだと考えるようになりました。
自分自身の言動が悪かったのだなとか、もっと視野を広げて現実を見渡さなければいけないとか、さまざまな気づきがあったのです。

自分が変わろうと決めて実践したら結果が出てきたのですか?

徐々にみんなが心を開いてくれるようになり、やがて団結力が生まれました。
普段からコミュニケーションをとって良好な関係性を築いているからこそ、こちらの指摘をきちんと受け止めてもらえるのだとわかりました。
いくら頑張っても独りよがりではダメなんだということや、自分が変われば周囲が変わるのだということを実感したんです。

どんな経験も無駄ではない

続いて赤坂店の店長として、管理監督者業務にあたることになったのですね。

赤坂にある「デリリウムカフェレゼルブ」の店長として異動したのです。
その後、吉祥寺店に愛着があったことから吉祥寺の店も見たいと自分から申し出て、現在は赤坂と吉祥寺の2店舗のユニット長を兼任しています。

2店舗管理するのは大変だと思うのですが、自分から申し出たのですね!

挑戦してみたいと思ったんです。
エバーブルーには3店舗のユニット長をしている人もいるので、頑張れば自分にもできるだろう思いました。

やってみてどうですか?

大変です(笑)。
もっとも大変なのは時間的な問題なのですが、吉祥寺店のアルバイトの面接を赤坂の店でやるなど工夫することで解決できることもあります。
丁寧に、かつ合理的な管理体制をより一層整えていくのかが自分に与えられたミッションであり、今後の課題です。

2店舗掛け持ちしてよかったところは?

1店舗のことだけ考えていると視野が狭まってしまいがちなのですが、2店舗みることで俯瞰して経営全体を見つめることができるので、本質的な問題点に気づくことができるということがあります。
比較値を持つことで、それぞれの店の特色を生かすという発想にもつながりました。

それぞれの店の特色を教えてください!

立地や店の規模、コンセプトが異なるので、お客様の層が違います。
吉祥寺店はファミリーやカップル、学生さんが主流ですが、赤坂店は会社帰りのサラリーマンや外国人の観光客が多くご来店されます。

特色の違いから改善したことはありますか?

赤坂店には日本語のわからない外国人のお客様もたくさんご来店されるということから、コレガスに外国人を入れたらどうかと提案して、現在、フロアスタッフ6人のうち、2人が外国人のアルバイトで構成しています。

オーストラリアで働いたご自身の経験も活かしているのですね?

確かに文化の違う海外で働く人の不安や戸惑いがわかるので、彼らとのコミュニケーションに活かせていると思います。
海外で働いたことがあるということに限らず、どんな経験も無駄ではなくて、たとえばエバーブルーに入社するまでの経歴の中で、自分が人間関係に悩んだというような苦い経験も役立っているのを感じます。
逆に褒められてモチベーションがあがったということもあったので、褒めることも大切だと考え、できるだけ心掛けているつもりです。

一人ひとりをよく見ているということですね。

みんな違いますから。誰だって得手不得手があるし、長所もあれば短所もあるというか、長所と短所って表裏一体ですよね。
ゆっくりペースの人は慎重だといえるし、優しい人は優柔不断だったりもします。
だから良い意味づけをして、長所を伸ばせば誰でも有能な人材になり得るというのが持論です。

ホスピタリティマインドを高めることが先決

土屋さんが早い段階でユニット長になったのは、それまでのキャリアが認められてのことだったのでしょうか?

それもあるかもしれませんが、むしろ飲食業が好きだという熱意を本社の人が感じとってくれたのかなと思います。
「飲食業が好き」の奥にあるのは、お客様に喜んでいただきたいというサービス精神。
吉祥寺店で窮地に立たされたときも、コレガスのホスピタリティマインドを高めることが、お客様の「また来たい」という気持ちに直結しているのだという信念があったから、頑張ろうと奮起することができたのです。

辛い時期があったという土屋さんの言葉だけに説得力がありますね。

自分もまだまだ学ぶべきことがたくさんあると考えています。
コレガスと力を合わせてやっていく中で、私自身がホスピタリティのスペシャリストを目指して成長していき、より多くの店をユニット長として担当していけるようになりたいです。
エバーブルーは、やる気のある人には惜しみなくチャンスを提供するという方針なので、自分次第で可能性が広がる。
そういう夢のある会社だと思います。

どんな人をコレガスの一員に迎えたいですか?

臨機応変に動ける人ですね。ホスピタリティって、いかに先回りしてサービスを提供できるかという点が重要だと思います。グラスの中の氷の音が聞こえたら、「お飲み物はいかがですか?」と尋ねに行ったり、あまりお酒が減っていないお客様がいたら、お酒が得意ではないのかもしれないと考えてお水を持っていくようにするとか。先輩からこうした指摘を受けた時に、やってみようという行動力のある人を求めています。

土屋さん、ありがとうございました!